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「子どもたちの可能性は無限大」ーポッシブルワールドが教えてくれた場の力


子どもたちと向き合うとき、私たちは彼らの持つ可能性の大きさを忘れがちです。大人は、自分の経験や知識を基準に子どもを見てしまいがちですが、その「未熟さ」こそが「可能性」であり、子どもたちが世界に貢献できる最大の強みです。​何にも染まっていない柔らかな心と、何物にも縛られないパワフルさ。これらは、彼らが可能性の塊であることの証明なのです。


先日、可能性を探求するプログラム「ポッシブルワールド」を子どもたち向けに提供する機会に恵まれました。​これは、私が最近上梓した著書『マナビの紡ぎ人の心得』で提唱した、学びを育む「場づくり」の理念を体現するものでした。このプログラムを通じて、私自身も「場の守り人」として子どもたちと向き合う貴重な機会となりました。


予期せぬ出会いと「場づくり」の力


mindmap of session design
ポッシブルワールドーセッションデザイン

このプログラムは、参加者の顔ぶれが直前まで分からず、蓋を開けてみれば想定外の年齢層の子どもたちが集まっていました。研修プログラムのデザインとしては、かなり厳しい状況からのスタートでした。しかし、こうした予測不可能な状況こそが、自分自身の姿勢を問い直す絶好の機会だと捉えてみました。私は、初日に知り合えた子供たち一人ひとりの特徴と関係性をもとに、当日の朝も3時に起きてセッションデザインを練り直しました。子供たちのマナビのプロセスや、彼らの「気づき」が起こるタイミングを想像しながら、微調整を繰り返したのです。心に置いた覚悟は、「年齢や立場に関わらず、一人ひとりに同じ目線で向き合う」こと。目の前の相手にただ真摯に向き合うこと。終わってみると、その姿勢こそが、子どもたちの心を開き、秘めた力を引き出す鍵となると、改めて実感しました。


このプログラムでは、携帯電話のない環境で共同生活を送りました。現代の日常から切り離されたこの「デジタルデトックス」が、子どもたちのありのままの「子どもらしさ」を引き出し、彼らの可能性を最大限に引き出す上で、どれほど重要だったかを痛感しました。そこには、笑顔があり、じゃれ合いがあり、そしてささいな会話がいっぱいありました。


さらに、「寝食を共にする」「同じ釜の飯を食う」という、古来から日本で大切にされてきた共同生活のあり方が、子ども同士のみならず、運営側との間にも揺るぎない信頼関係を築きました。単発のセッションでは決して生まれない、ふとした瞬間の意図せぬ会話や、共に過ごす時間の中で育まれる絆。これこそが、語らいをより深く、豊かなものへと昇華させるのです。これこそが私が著書で伝えたかった「場づくり」の真髄そのものでした。


「気づき」が芽吹いた瞬間に立ち会う喜び


​私が愛してやまない「可能性」と「気づき」をテーマにした「ポッシブルワールド」は、子どもたちの心に小さな「種」を蒔きました。翌日のプロジェクト学習は、その種を育むための場となりました。短時間でのセッションだったため、学びのプロセスをじっくり追うことはできませんでしたが、最終発表で彼らが見せてくれたのは、それぞれの方向へ、そしてそれぞれの歩幅で、確実に芽吹いた姿でした。地元の方が聴衆として集まるその場にあったのは、誰かの真似をするでもなく、背伸びをするでもない、等身大の自信。そして、一人の地球市民として社会に貢献したいという確かな自覚でした。あの短い時間の中で、彼らは自分の中に眠る光を見つけ、自分の力で一歩踏み出す勇気を得たのです。


people pointing their card that has an image of their future
私たちの未来

そこにある可能性


可能性は、本当に無限大です。

そして、その可能性を育むためには、一人ひとりが安心して自分を表現し、内なる「気づき」を得られる「場」が不可欠です。私たち大人は、未来のために、子供たちが自分らしく輝ける「場」を創造し続ける役割を担っているのだと思います。今回の「ポッシブルワールド」で改めて強く、深く感じたのは、大人一人ひとりが「マナビの紡ぎ人」として、子どもたちと同じ目線で向き合う姿勢こそが、その揺るぎない第一歩だということでした。

 
 
Mask group

ポッシブルワールドを体験

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