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ブログ


父とコーヒーとフランス語とマナビ
90歳の父との暮らしは発見に満ちている。父は「覚えられない」と笑いながら毎日フランス語に向き合う。その姿は「学ぶ」行為自体が日常を彩ることを教えてくれる。
そんな父にコーヒーの淹え方を教えた時、うまくできない姿に、つい「私がやった方が早い」と思ってしまった。子の学びが常に「正の傾き」で伸びるのに対し、高齢者の学びは結果に繋がりにくい。だが「どうせ忘れるから」と機会を奪うのは、学びの本質を見誤っているのだと、娘に教えた数学の話から気づかされた。
真の価値は、結果という物差しでは測れない「できた!」という一瞬の喜びと、人と人とが関わり合う「過程」そのものの豊かさにある。この気づきを胸に、後日父の通院を見守った。すると父は様々な手続きを一人でこなし、「俺、結構できるじゃないか」と誇らしげに笑ったのだ。
父の後ろ姿は、たとえすぐに忘れてしまうとしても、その一瞬の輝きを尊重し、学びの機会を奪わないことの尊さを、静かに示している。
8月15日


日本文化が世界に問いかける「関係性」の美学
西洋的な個人主義が主流の現代において、日本文化が世界に問いかけるものとは?それは、日本語の「聞き手責任」や「人間」という漢字に込められた「関係性」の概念に深く根差しています。目には見えにくい「間」の感覚が、なぜ日本の社会や個人のあり方に大きな役割を果たすのか。その奥深さに触れてみませんか?
7月31日


競争から共創へ──マーケティングのパラダイムシフト
近年、マーケティングの世界において「共創(co-creation)」という言葉が注目されています。
かつては「競争に勝つ」「ターゲットを攻略する」といった戦略思考が主流でしたが、いま求められているのは、顧客とともに価値を育てていく視点です。
7月7日


ゲームの中でペルソナ体験をしたら、世界の見え方が変わった
発想の転換を促すオンラインゲームコンテンツ「ポッシブルワールド」では、参加者が“なりたい誰か”を演じることがあります。
それは、現実での肩書きでも性格でもありません。
「本当はこんなふうに動いてみたい」「こんな人になってみたい」という気持ちに、少しだけ素直になってみる。
そんな遊び心が、あちこちで息づいています。
5月23日


平均点より「ウェルビーイング」?教育の本質を問い直す
「平均点を上げるように」
これは、学校現場ではよく聞かれる言葉です。
成績を上げること、数値で見える成果を出すことが、教育の目的であるかのように。
でも、ふと立ち止まって思うんです。
本当にそれだけが、子どもたちの「学び」なのでしょうか?
5月16日


何もないから生まれる:余白が導く創造とつながり
なぜ、今「余白」が必要なのか?
現代社会は、常に成果を求められ、スピードが重視される環境が当たり前となっています。そのような中で、人々が「息苦しさ」や「閉塞感」を抱くケースが増えています。
こうした社会のあり方に対し、「何もない空間=余白」が持つ力に着目する動きがあります。ポッシブルワールド・ラジオ「#47 目的を手放す勇気と、そこにある可能性」の中で、創造やつながりの可能性は、むしろ何も定義されていない空間にこそ宿る、という話がありました。
5月15日


学校に地域がやってくるーーただ“そこにいる”ことの価値
かつての子どもたちは、空き地や駄菓子屋、公園など、特に目的もなく集える場所で自然と人と関わることができました。
そこには、偶然の出会いと関係性の中で、教え合いでも競争でもない豊かな学びがありました。
しかし現代では、安全性や効率性が優先され、そうした「ただそこにいる」場所が少なくなっています。
子どもが地域の大人と出会う機会も減り、教育の現場でも、目的と成果が前提となる関係性が中心になっています。
偶然から始まる学びの余白が、静かに失われつつあります。
5月13日


学びに“正解”を求めるクセ、手放せますか?
新しいプロジェクトや、見慣れないタスクに直面したとき、多くの大人はまず「ルール」や「手順」を求めます。
何が正解なのか、どのように動けばいいのか。
その“ガイドライン”が提示されないと、不安に感じる方は少なくありません。
特にビジネスの現場では、その傾向が強く表れます。
5月10日


こっちを向いてくれた日 ──ウメの物語──
ぼくはそこにいた。
光のない場所ではなかったけれど、誰の目にも映らない気がした。
ぼくの姿は、声は、ここにはなかった。
あったのは、アバターの輪郭と、チャットのカーソルだけ。
5月8日


地球での60分 ― シミュレーションの世界で見つけた真実と「気づき」
「たった60分で、世界を変えるって…?」
ケンタは小さくつぶやいた。画面の光が彼の顔を照らし、手がわずかに震えていた。
バーチャルテーブルには、サクラ、ハルト、ミナの3人が座っていた――それぞれが異なる使命と信念を胸に。
サクラは調和を求め、ハルトは教育に情熱を注ぎ、ミナはそっと問いかけた。
「世界を変えているのかな……それとも、自分たちを?」
緊張が高まり、数値は下がっていく。
しかし――静寂の中から、生まれたのは変容だった。
5月4日
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