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種を蒔くように─この可能性の世界で─

更新日:5月8日

空は、淡い灰色に煙っていた。

地平線の向こう、遠い都市の残骸が、陽炎のようにゆらいでいる。


この世界では、経済も、環境も、社会も、 すべてが「3」というかろうじて保たれた均衡にあった。


それは、始まりに過ぎなかった。

誰もがそれを、どこかで感じていた。

けれど、どこまで行けば「豊か」と言えるのか、誰にも教えられてはいなかった。


ある数値がひとつの目安だということを、それとなく知っている者もいた。

だが、それがすべてではなかった。


この世界で、何を持って満足とするかは、ただ、自分自身で決めるしかなかった。



種を蒔く6人

**


六人がいた。それぞれが違う場所から、違う理由を抱えて、ここに辿り着いた。


  • サクラ

    明るく、まっすぐな者。彼女は、世界に緑を取り戻したいと願っていた。

  • ウメ

    声を持たず、言葉を文字に託す者。そのメッセージは、静かに、しかし力強く仲間に届いていた。

  • モモ

    あたたかく、ひたむきに生きる者。自由な時間を求め、静かに歩みを始めていた。

  • ヤナギ

    柔らかく、しかし折れない意志を持つ者。彼女の瞳は、静かに富の先を見据えていた。

  • カツラ

    冷静に、しかし穏やかに周囲を見渡す者。財を築きながら、世界の流れを読もうとしていた。

  • コブシ

    力強く、現実を受け止めながらも、理想を信じる者。人々の可能性を広げたいと願っていた。


**


彼らはそれぞれ、目指すべき「豊かさ」を、自らに問うていた。


誰もが違った答えを持っていた。

誰もが正しかった。


そして、静かに、確かに、物語は動き始めた。


※ この物語は、実際に4月のポッシブルワールド・ディスカバリーセッションで起きた世界の記録を元に作られたフィクションです

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