
現代社会では、仕事と遊びが明確に分けられ、遊びは「余計なもの」として扱われがちです。
しかし、そもそも日本人は遊びを仕事の中に取り入れていた民族だったのではないでしょうか。
江戸時代、日本を訪れた西洋人は「日本人は仕事をしているのか?一日中楽しんでいるように見える」と驚いたといいます。
私たちはいつから、遊びを仕事の外に追いやるようになったのでしょうか。
周縁に追いやられるもの
「マージナライズ(周縁化)」という言葉があります。
これは、社会の中で特定のものや人が主流から押し出され、重要でないものと見なされる現象を指します。
遊びは、まさにこの「周縁」に追いやられたものの一つではないでしょうか。
例えば、炭鉱の労働者の話に出てくる「スカブラ」という存在です。
スカブラとは、仕事中に冗談を言い、周囲を笑わせる人のことを指します。
一見すると、彼は生産性のない人物に思えるかもしれません。
しかし、実は彼の存在が職場の空気を和らげ、結果的にチーム全体の効率を上げていたのです。
つまり、仕事をスムーズに進める上で「遊び」が果たす役割は大きいといえます。
仕事と遊びが分けられたことで失ったもの
かつて日本人は、仕事と遊びを明確に分けることなく生きていました。
しかし、近代化が進むにつれて、平日は「仕事」、休日は「遊び」と完全に切り分けられるようになりました。この変化が、働くことを苦痛に変えてしまったのかもしれません。
今、オンラインの普及によって、仕事と生活の境界が再び曖昧になりつつあります。
リモートワークが進み、仕事と私生活が混じり合う環境になっています。
この変化をポジティブに捉えれば、「遊びながら働く」新しい形が生まれる可能性があるのではないでしょうか。
遊びが持つ価値を見直す
遊びとは「余裕」や「緩み」とも言い換えられます。
日本語では「遊びがある」という表現があるように、物理的にも心理的にも適度なゆとりが必要です。しかし、仕事の場では「無駄を省く」ことばかりが強調され、「遊び」が許されない雰囲気が強まっています。
実際の職場において、スカブラのような存在は最初に排除されがちです。
場を和ませる人や、少し脱線した話をする人は「不真面目」と見なされることが多いです。
しかし、それがチームの雰囲気を良くし、結果として仕事の効率を上げることもあります。
遊び心を持つことが、長期的に見れば組織の生産性や創造性を高めるのではないでしょうか。
仕事と遊びが融合する未来へ
近年、一部の企業や研修プログラムでは、仕事と生活を行き来するような学びのスタイルを採用し始めています。
研修を「一回きりのイベント」ではなく、日常の中で継続的に活用する形にすることで、学びがより実践的なものになります。
これはまさに、遊びながら学び、働くという考え方に近いといえます。
仕事と遊びを分けるのではなく、一体化させることで、より豊かな働き方が実現できるのではないでしょうか。
私たちがかつて持っていた「仕事の中に遊びを見出す」感覚を、今こそ取り戻すべき時なのかもしれません。
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このブログは、以下のポッシブルワールド・ラジオの中で話した内容を記事にしました