
現代社会は、新しい技術やトレンドが次々と生まれ、変化のスピードが加速しています。どうしても新しいものに飛びつきがちですが、その一方で、「温故知新(おんこちしん)」という言葉が示すように、過去の知恵を学び、それを現代に活かすことも大切です。今こそ、そろそろ真面目に温故知新に取り組んでみるのもいいかも知れません
温故知新とは?
「温故知新」は、『論語』の中の一節で、「故きを温(たず)ねて新しきを知る」と訳されます。これは、過去の知識や経験を学び直し、それをもとに新しい知恵を生み出すことを意味します。日本には、この考え方が深く根付いており、落語や伝統芸能、職人の技術など、過去の文化や技術を大切にしながら発展させてきました。
温故知新の実践例
一つ前の記事でも書きましたが、最近は「ストーリーテリング」の重要性が高まっています。しかし、日本にはすでに落語や伝統的な語りの文化があり、それを活かすこともできるのです。「新しいスキルを学ばなければ」と焦るのではなく、自分たちの文化や歴史を振り返ることで、新たな発見があるかもしれません。
また、最近の社会では、将来への不安から「老後資金」の確保が重要視されています。しかし、ただ貯めるのではなく、お金をどのように使い、巡らせるかに目を向けてみてもいいのではないでしょうか。
渋沢栄一に学ぶ温故知新
温故知新の実践者として2024年の新一万円札の顔にもなり、大河ドラマ『青天を衝け』でも描かれた渋沢栄一の教えを振り返るのも良いでしょう。彼は、「論語と算盤」に代表されるように、道徳と経済の両立を説きました。500以上の企業や教育機関の設立に関わりながら、単なる利益追求ではなく、社会全体の発展を見据えていたのです。
彼の考え方を現代に活かすならば、単にお金を貯めるのではなく、社会のために活用し、それが巡って自分に返ってくるような仕組みを作ることが、より持続可能な未来を築く鍵になるでしょう。
そろそろ真面目に温故知新
私たちは、時に新しいものばかりを追い求め、すでに持っている価値あるものを見落としがちです。しかし、「温故知新」の精神を大切にし、過去の知恵から学ぶことで、より豊かな未来を築くことができます。新しいことに挑戦するのも大切ですが、その土台には、先人が築き上げた知識と経験があるのです。
そろそろ真面目に温故知新に取り組み、私たちの文化や価値観を見直してみるのも、面白いかもしれません。
ポッシブルワールド・ゲームホストであり、株式会社ナガイマーケティング研究所の代表であるマーケティング✕組織開発コンサルタントの長井菜穂子さんを招いたラジオの中で、温故知新について語りました