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再び社会の海へ出る人へ― 自分を支えるものを探す

「大きな船から外に出るときに、何か自分を支えてくれる“浮き輪”が欲しくなる」

ある対話の中で、そんな言葉が静かに語られました。


転職を考えている人、起業を目指す人、あるいは「今の会社を辞めようか」と迷い始めている人。こうした人たちは今、人生の中で一つの「航路を変える」タイミングに立っています。社会の中で新たに自分の居場所を探すことは、年齢に関係なく、大きな意味と覚悟を伴うことです。


「社会にもう一回出るんでしょ?本当の意味で社会に出ますからね。」

今までの肩書きや役割から離れたあとの「素の自分」で、再び社会に向き合うという現実。そしてそこには、「何を準備すればいいのか」「何を支えにできるのか」という、漠然とした不安が確かに存在しているように感じられました。


この対話はポッシブルワールド・ディスカバリーセッションの参加者とこれを提供したファシリテーターとの対話の中で語られました。



大航海のはじまり
大航海のはじまり
 

変化に備える「気づき」とは何か

変化の時期には、今まで当たり前に感じていたことが揺らぎ始めます。「会社でどう評価されるか」ではなく、「社会の中で自分はどうありたいか」といった問いが浮かび上がってきます。

「もしかして自分は、わかっているふりをしていたんじゃないかと思いました」
「SDGsとかも、『なんとなく聞いたことがある』くらいで、本当はよく知らない人が多いと思うんですよね」

これは中高年層に限らず、立場や職場が変わる節目に共通する戸惑いではないでしょうか。「何かに関心はあるけれど、自分がどう関わればいいのかは分からない」──そうした曖昧さを抱えながら、誰もが次のステージに踏み出そうとしています。


しかし、それは責めるべきことではありません。むしろ、「だからこそ今、向き合ってみたい」という気持ちが生まれることが大切です。

「答えがないっていうのが、むしろ答えなのかもしれないですね」
「それでも、何かしら自分にできることがあると感じました」

こうした気づきが生まれる場は、正解を押しつける講義ではなく、体感的に「自分ごと」として感じることを重視した学びの中から生まれていました。


 

“浮き輪”としての学びの場

社会という広い海にもう一度漕ぎ出すとき、人は自分を支える「何か」を必要とします。それは新しい知識だけでなく、自分の内面を見つめ直し、価値観を整理するための“時間”と“対話”であることも少なくありません。

「全部が理解できたわけではないけれど、“感じられた”ということがすごく大きいです」
「体系的にわかっていなくても、どこかでつながっている感覚が芽生えました」

こうした学びの場では、「問いに正しく答える」ことよりも、「問いを持ち続けること」そのものが大切にされます。ときに他者と意見がぶつかり、対話を重ねる中で、自分の中に眠っていた価値観が浮かび上がってくる瞬間があります。


特に個人ではなく“チーム”で取り組むとき

「同じようなタイプの人と組むと、逆に進まないんですよ。意見が割れないから気づきも少ない」
「ちょっと違うタイプと組むと、すごく面白いんですよね。自分の考えが浮かび上がってくるから」

こうしたプロセスを経ることで、「自分とは何者か」という問いに対し、知識や経験だけではたどり着けない形での答えが見えてくるようです。


 

変わるのは、誰かではなく「自分」と「関わり方」

ディスカバリーセッションの参加者が感じるのは、「一人で全部を解決しようとしなくていい」という安心感でもありました。むしろ大切なのは、社会とどう関わり直すか、そしてそれをどう行動に移すかという視点です。

「辞める時にこれ受けてたら、衝撃的だったと思います」
「何をしなきゃいけないのかって、そういうことなんじゃないかなと思いました」

自分のために生きることと、社会のために関わることは、決して矛盾するものではありません。むしろその間にこそ、これからの人生を豊かにするヒントがあるのかもしれません。


 

それぞれの“浮き輪”を持つために

「救いって、そんなに甘いものではないと思うんです。苦かったり、しょっぱかったり、でも、それが人生の味なんですよね」

社会の海に出ることは、誰にとっても簡単なことではありません。新しい環境で、また一から学び、考え、動くことには覚悟も勇気も必要です。だからこそ、正解を求めるのではなく、「問いを持ち、語り合える場」が、自分を支える“浮き輪”になるのではないでしょうか。

「勝った負けたじゃないですからね。そういう次元の話じゃないんです」

転職、起業、退職、迷い──そのどれに立っていても、再び社会と向き合うときが、きっと誰にも訪れます。そのとき、自分を支える何かがあれば、次に進む一歩は、少しだけ軽くなるかもしれません。


 

ポッシブルワールド・ディスカバリーセッションはこちらから体験することができます



大分県佐伯市で海藻の加工卸業や一次生産者の販促支援などを行なっている株式会社ベースの代表であり、元さいきあまべ食べる通信編集長の平川 摂さんに、初めてポッシブルワールド・ディスカバリーセッションに参加してみての感想をポッシブルワールド・ラジオで聞かせていただきましたそのラジオの一部から感じたポッシブルワールドをnoteで紹介させてもらいました



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