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学びに“正解”を求めるクセ、手放せますか?

新しいプロジェクトや、見慣れないタスクに直面したとき、多くの大人はまず「ルール」や「手順」を求めます。


何が正解なのか、どのように動けばいいのか。

その“ガイドライン”が提示されないと、不安に感じる方は少なくありません。

特にビジネスの現場では、その傾向が強く表れます。


自由にやってください

「自由にやってください」と言われたときの、あの空気


ポッシブルワールドのルールの説明はごく簡単で、「自由にやってください」とだけ伝えられます。


すると、一部の参加者は黙々と作業に取り組み、他者と話すことも、質問することもなく、


「何が正解かわからないから動けない」

「まずは様子を見たい」


そんな空気が、場を静かに包むことがあります


無意識にしばられている、大人のマインドセット


このような反応は、大人に染みついたマインドセットのあらわれでもあります。


  • ルールは与えられるもの

  • 正解を知ってから行動するもの

  • 失敗するくらいなら慎重に動きたい


こうした思い込みが、無意識のうちに行動の幅を狭めてしまっているのです。


子どもたちは、まず動いてみる


同じようなプログラムに、子どもたちが参加したことがありました。

そのとき、まったく違う空気が流れていました。


子どもたちはルールが不明確でも、とりあえず動いてみるのです。

誰かに話しかけ、チャットで確認し、交渉し、時には失敗もしながら、少しずつ自分なりのやり方を見つけていきます。


「こうするとスムーズに進むかもしれない」

「これがうまくいかないなら、別のやり方を試してみよう」


そんな“気づき”が、行動の中から自然と生まれていくのです。


交渉から学ぶ、相手へのまなざしの変化


とりわけ印象的だったのは、交渉を通じて相手に対するイメージが変わっていく場面でした。


最初は名前も顔もよく知らなかった相手が、「思ったより親切」「しっかりギブしてくれる人だった」など、やりとりを重ねる中で印象がアップデートされていきます。


これは、マニュアルや一方通行の講義では得られない、体感的で深い学びです。


子どもたちは「教えられる」のではなく、「学びを自分で獲得している」。その姿は、大人たちが忘れかけている“学びの原点”を思い出させてくれます。


なぜ大人は「正解」を欲しがるのか


大人が正解やルールを求める背景には、これまでの教育や社会経験があります。


子どもの頃から、「与えられたルールに従うこと」や「正解を出すこと」で評価されてきた結果、「まずルールを把握してから動くべき」という思考が当たり前になっています。


また、立場や責任が増えると、失敗への許容度が下がり、自由に動くこと自体が難しくなります。


しかし、正解がひとつではない今の時代、“まず動いてみる”柔軟さこそが、実はもっとも必要とされている力かもしれません。


「個別最適化」の学びを認めるということ


学びの場で見えてくるもうひとつの視点は、「人それぞれのペースがある」ということです。


子どもたちを見ていると、早く理解して進む子もいれば、じっくり時間をかけて気づく子もいます。


一見「遅れている」と感じても、ある瞬間に急に理解する子もいます。

それを見ていると、学びを「スピード」や「正解の有無」で評価することの危うさに気づかされます。


そしてそれは、大人にも当てはまります。

それぞれに合ったタイミング、それぞれの方法がある。

だからこそ、「誰かと比べる」のではなく、「自分のリズム」を信じて進むことが大切なのです。


変化の時代に必要なのは、学び方の学び直し

ルールが曖昧なときこそ、対話が生まれ、発見が生まれます。

最初は戸惑いがあっても、やってみることでしか見えてこないものがあるのです。


「教えられる」のではなく「気づく」

「正解をなぞる」のではなく「問いを立てる」


それこそが、今必要とされる“学び方の再構築”ではないでしょうか。



子どもたちの柔軟な学びの姿は、大人にとってのヒントに満ちています。一度しみついたマインドセットを問い直しながら、もう一度、学び直す姿勢を持ってみる。


変化の時代をしなやかに生きるために、その第一歩は「まず動いてみること」なのかもしれません。



ポッシブルワールドのホストであり、和歌山県白浜町で2025年度から教育長、町内中学校で理科教諭、教頭、小学校・中学校校長を務めてきた「学校はウェルビーイングなパワースポット」を目指す僧侶でありCWO(Chief Well-being Officer)の西田拓大さんとP-Lab のayaがポッシブルワールド・ラジオの中で語ったお話




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