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何もないから生まれる:余白が導く創造とつながり

なぜ、今「余白」が必要なのか?

現代社会は、常に成果を求められ、スピードが重視される環境が当たり前となっています。そのような中で、人々が「息苦しさ」や「閉塞感」を抱くケースが増えています。


こうした社会のあり方に対し、「何もない空間=余白」が持つ力に着目する動きがあります。ポッシブルワールド・ラジオ「#47 目的を手放す勇気と、そこにある可能性」の中で、創造やつながりの可能性は、むしろ何も定義されていない空間にこそ宿る、という話がありました。


余白が導く創造


余白から生まれる創造性:量子力学的な視点から

ラジオの中では、量子力学における「エネルギーの場」が話題に上がりました。かつては粒子がなければ物質は生まれないと考えられていましたが、後の研究で「場が整えば、何もないところから物が生まれる」ことが示唆されるようになっているそうです。


この視点は、人間の創造活動にも通じます。あらかじめ目的や意味づけがなされていない空間、つまり「余白」こそが、自由な発想や新たな価値を生み出す土壌となるのです。


目的を持たない集まりの価値

現代では「何のために集まるのか」という問いが常に付きまといます。しかし、目的や期待に縛られない場の方が、本質的な創造性やつながりを引き出すことがあります。


ラジオでは、「目的を持たずに集まること」で、意図しなかった面白いことや、人を救うような動きが自然に生まれるという実例が語られています。これは、偶然や偶発性を大切にし、場の力に委ねる姿勢の表れでもあります。


SDGsと当事者意識のズレ

SDGs(持続可能な開発目標)は、多くのプランやイニシアチブによって支えられていますが、達成率はいまだ15%前後にとどまっています。この背景には、「計画が足りない」のではなく、「一人ひとりの自覚やつながり」が不足しているという指摘がありました。


課題はすでに可視化され、目標も設定されています。今求められているのは、それを「自分ごと」として捉えられる感覚を、どのように育てるかということです。


エイジェンシー(当事者意識)とウェルビーイング

近年、教育分野などで注目されているのが「エイジェンシー(当事者意識)」という概念です。これは、自分が関与しているという実感や、社会との関係性の中で主体的に行動する力を意味します。


このエイジェンシーは、知識や情報だけでは育ちません。実際に他者と関わり、何かを共に体験する中でこそ生まれます。そしてそれは、個人のウェルビーイング(幸福や健やかさ)にも深くつながっていると考えられます。


余白を取り戻すという選択

現代社会の課題を根本から見直すには、意図や目的に縛られすぎない「余白」を、意識的に生活や組織、教育の中に取り戻していく必要があります。


「何もないからこそ生まれる」。その可能性を信じて、場を整え、人とつながることから新しい価値を見出すプロジェクトが各地で動き出しています。そこには、過剰な計画や効率性では到達できない、未来へのヒントが隠されているのかもしれません。



ポッシブルワールドのホストであり、和歌山県白浜町で2025年度から教育長、町内中学校で理科教諭、教頭、小学校・中学校校長を務めてきた「学校はウェルビーイングなパワースポット」を目指す僧侶でありCWO(Chief Well-being Officer)の西田拓大さんとP-Lab のayaがポッシブルワールド・ラジオの中で語ったお話




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